2003年12月、3大都市圏にて地上デジタル放送スタート

 地上デジタル放送ってご存じですか? 現在アナログで放送されている普通の(地上波の)
テレビ放送を約8年かけてデジタル化しようという大計画です。その地上デジタル放送が、
2003年12月にいよいよ3大都市圏(関東・中部・関西)にてスタートします。
 地上波がデジタルになることによって高画質のハイビジョンがより身近になるのに加えて、
多チャンネル化や便利なデータ放送、携帯電話などの移動体による受信も実現します。このペ
ージでは、地上デジタル放送の最新情報をお届けします。

地上デジタル放送の基礎知識

 2003年12月から3大都市圏でスタートする地上デジタル放送。地上波が従来のアナログからデジ
タルになる事で、我々ユーザーにはどんなメリットがあるのでしょうか。このページでは地上デジタ
ル放送の基礎知識を解説いたします。
地上波放送がデジタルになると何ができるの?

 デジタルのメリットは、大容量のデータを誤りなく送れること。従来アナロ
グだったテレビ放送をデジタルに変える事によって、今までデータが多す
ぎて地上波では無理だったハイビジョン放送が実現するほか、従来画質
であればひとつのチャンネルで3つの番組が送れる多チャンネル化、ゴ
ーストなどのノイズの無い美しい画面などが実現します。
 画像だけでなく、音声もデジタルになることによって高音質化。5.1chサ
ラウンド
など、臨場感たっぷりの最新デジタルオーディオに対応します。
 さらに便利なデジタル放送にも対応。ニュース・天気予報などがいつで
も視聴可能になるほか、インターネットと連携したサービスも予定。例え
ば番組で気に入ったお店をクリックするとインターネットを通して予約でき
るなど、便利なサービスが考えられています。
地上デジタル放送が見られる地域は?

 地上デジタル放送は日本全国に届くBS/CS放送と違い、アンテナの立てられた場所によって見られる地域が限定されます。まずは
2003年12月から、3大都市圏で実施。下の地図のオレンジ又は黄色の地域が視聴可能と予定されています。ただし地形や建物など
により、エリア内でも視聴ができない地域も発生します。通常のテレビ放送と同じく、視聴地域は整備され順次広げられて行きますの
であらかじめ対応テレビを買っておいても無駄にはなりません。地図のエリア以外でも、日本全国で遅くとも2006年末までには地上
デジタル放送の開始が予定されています。
2003年 12月に、地上デジタル放送の視聴が可能と予想される地域
地上デジタル放送を見るには何が必要?

 まず必要なのは地上デジタルチューナー内蔵のテレビ。現在お持ちのテレビで見るので
あれば、別途地上デジタルチューナーを外付けすれば見られます。もちろんハイビジョン対
応テレビであれば、高精細・ワイドの美しい画面を楽しむ事ができます。
 もうひとつ必要なのがアンテナ。地上デジタル放送はUHFの13〜31チャンネルを利用す
る事が決まっているため、現在UHF放送を受信している場合はそのままかあるいはアンテ
ナの方向を変える事によって受信できます。ただし一部13チャンネル、24チャンネルが帯
域外のアンテナもあるので、その場合は地上デジタル対応のアンテナに買い換えることを
おすすめします。
普通のテレビ放送はなくなってしまうの?

 従来のテレビ放送(地上アナログ放送)は8年後の2011年7
月に終了することが予定されています。現在お客様がお持ち
のテレビですが、地上デジタルチューナーをつなげば引き続
き使うことはできますし、8年後にはチューナーの値段もずい
ぶん下がっていると予想されます。
 ただし、これからテレビをお求めになる場合は地上デジタル
放送を意識しておいた方が良いでしょう。地上デジタルチュー
ナー内蔵タイプのテレビを購入するのがベストですが、少なく
ともハイビジョン対応のテレビを買っておくべきでしょう。今後
主流になると思われるハイビジョン放送は、ハイビジョンテレ
ビでないと楽しむ事はできません。
携帯電話でも地上デジタル放送が見られると聞いたんですが

 地上デジタル放送では、携帯電話などの小さな画面で視聴するためのデータエリアが用意されてい
ます。また携帯メーカー各社も、地上デジタル放送が見られる試作機をいくつか発表しています。ノイ
ズやゴーストに強いデジタルは、移動体通信にもぴったり。近い将来、携帯電話でテレビを見る時代が
やって来るでしょう。

薄型テレビで地上デジタル放送を見る

 大画面なのに設置場所を取らない薄型テレビは、緻密で大迫力の地上デジタルハイビジョン放
送にぴったり。表示方式によりプラズマと液晶があり、それぞれに一長一短がある。42型以上であ
ればプラズマを、それ以下ならご予算に合わせて、液晶かプラズマを選ぼう。
薄型テレビは、液晶とプラズマの2種類

 薄型テレビは、方式によりプラズマと液晶の2種類がある。プラズマは大
画面化が容易
で、50インチを越えるモデルも発売中。画面の応答性も良
く、動きのある画面でも見やすい。その反面、消費電力は同サイズのブラ
ウン管式テレビと変わらない、やや重量があるなどの欠点を持つ。
 対して液晶(右写真)だが、ピントがシャープで発色が良く正面からだと大
変見やすい。消費電力は同サイズのブラウン管式テレビの約2/3で、液晶
パネル自身の寿命も長い。バックライトさえ交換すれば、10年以上の利用
も可能だ。液晶の弱点は価格で、同サイズのプラズマと比較すると割高に
なる事だろう。
 選び方だが、42インチを越える場合はプラズマテレビしか選択肢がな
い。残念ながら液晶はここまで大型化できないし、できてもかなりの高額に
なってしまう。37型以下の場合は、予算が許せば高画質・省エネの液晶を
選ぶと良い。

ブラウン管テレビで地上デジタル放送を見る

 高画質のハイビジョン対応なのに比較的安価に手に入るのがブラウン管式テレビの最大の特
徴。手軽に地上デジタル放送を楽しもうと思えば、ブラウン管式の地上デジタルハイビジョンテレビ
は外せないだろう。
低価格化でお求めやすくなったブラウン管式テレビ

 ブラウン管式ハイビジョンテレビの低価格化が進んでいる。地上デジタル放送チューナー内
蔵機でも、20万円を切ったモデルが発売されているほどだ。ハイビジョンも含めた地上デジタ
ル放送を最も手軽に楽しめるのが、このブラウン管式のハイビジョンテレビだろう。

地上デジタルチューナー内蔵モデルが続々登場

 これからの主流は、地上・BS・110度CSデジタルチューナー内蔵モデル。この3つが受信でき
るテレビを買っておけば、現在予定されているテレビ放送に関してはまず不自由はないだろう。
地上デジタル放送が来年以降という地域にお住まいの場合でも、28型以上の大型テレビで
あれば最低でもD4端子が搭載されたハイビジョンテレビをおすすめしたい。将来的にテレビは
ハイビジョンに変わっていく予定なので、長く使うことができるだろう。
アップグレードで地上デジタルに対応

 購入時は地上デジタル対応ではないが、無料アップグレードサービスにより送られてきたメモ
リーカードをテレビに差し込むと(左写真)地上デジタル放送に対応するのが東芝のD4000シリ
ーズ。テレビ内のプログラムを書き換える事ができるので、新しいサービスにも柔軟に対応でき
る可能性を秘めている。
 またハイビジョンにはこだわらないが、とりあえず地上デジタル放送の内容が見てみたいとい
う方にはサンヨーのDT1-Kシリーズがおすすめ。従来画質だが、ひととおり地上デジタル放送を
楽しむことができる。

プロジェクターで地上デジタル放送を見る

 手軽に100インチを越える、究極の大画面が手にはいるのが人気のプロジェクター。実は地上デ
ジタルのハイビジョン放送に一番マッチするのが、プロジェクターかもしれません。ハイビジョン対
応プロジェクターに地上デジタルチューナーを組み合わせて楽しみましょう。
ハイビジョン対応のプロジェクターを選ぼう

 映画のように、テレビ画面をスクリーンに投影して楽しむのがプロジ
ェクター。プロジェクターはチューナーを内蔵していないモデルがほとんど
なので、現在プロジェクターをお持ちの方であれば地上デジタルチュー
ナーを接続すればすぐに地上デジタル放送を楽しむことができます。
 プロジェクターには現行放送用のものと、720p以上のハイビジョン信
号に対応したモデルとに分けられます。おすすめはもちろんハイビジョ
ンモデルで、このぐらいのサイズになると現行放送とハイビジョンの差
は歴然。地上波デジタルの恩恵を最も受けるのは、プロジェクターユー
ザーではないでしょうか。

お手持ちのテレビで地上デジタルを見る

 現在お手持ちのテレビで地上デジタル放送を楽しむなら、地上デジタルチューナーがおすすめ。
特にD3以上の端子が付いたハイビジョン・レディテレビをお持ちであれば、チューナーを接続すれ
ばすぐに美しいハイビジョンデジタル放送を楽しむことができます。
チューナー(アダプター)で地上デジタル放送に対応

 地上デジタル放送を楽しむには、対応テレビに買い換えてしまうのがベスト。でもお
持ちのテレビがまだ新しい場合や、特にハイビジョン対応テレビをお持ちの場合は地
上デジタルチューナーの購入を考えるのが得策です。
 地上デジタルチューナーは、回路を兼用できるためBSデジタルと110度CSチューナ
ーと一体になっています(2003/10現在)。すでにBSデジタルをお楽しみ中の方には重
複してしまってもったいなく思われるかもしれませんが、ハイビジョンを中心に楽しむ
のであればテレビの入力切り替えを行う手間が減るなどいくつかメリットもあります。
テレビの入力端子を確認しよう

 テレビ側にD3以上の端子が付いていれば(左写真上段)、地上デジタルチューナーとの相
性はばっちり。接続するだけで、地上デジタルのハイビジョン放送を楽しむことができます。
次に相性が良いのが、D2までの端子が付いている場合。解像度は現行のままですが、プロ
グレッシブの高画質放送を楽しむことができます。
 残念ながらS端子または黄色いピンプラグ(左写真下段)しか用意されていない場合でも、
とりあえず地上デジタル放送を見ることができます。ただし現行画質のままなので、地上デ
ジタル放送の最大のメリットであるハイビジョンの美しい画面を楽しむことはできません。